第7弾です。
【問題】
塗装時についての問題です。
工程についてお考え下さい。
総2階で面積の大きいALC外壁に、波型模様を付ける為
下塗りとして、微弾性フィラーを
マスチックローラーで塗装しました。
最上階(足場3層目)から塗装し始め、
1周回った後 2層目、1層目と降りてきます。
ちょうど最上階(足場3層目)が終わった所で
昼になったので休憩にしました。
休憩後 2層目、1層目の順番に塗装してきました。
このような塗装をした時
起こると考えられる不具合は何でしょうか?
【回答】
休憩前と後で塗装した部分に
塗継ぎムラが発生します。
【解説】
マスチックローラーで波型模様に仕上げる場合、
塗装のインターバルに注意しないと塗継ぎ部分で
波型模様の仕上がりに差が生じ、黒い筋状に見えたり、
塗継ぎムラが発生することがあります。
この現象は、特に大きな壁面の塗装において
施工中は分かりにくいが足場を外した後
離れて見た時に、ムラの発生を見つけて目立ってしまうケースがあります。
発生する原因として、表面乾きの状態で塗り継ぐと、
その部分の粘度が高い為、正常なパターンにならずトゲ立ちになってしまい、
この部分で乱反射が起こり黒っぽく見えてしまいます。
この塗継ぎムラは、風が強い・直射日光があたる・気温が高いなどの
表面乾きが早くなる環境においては、より発生しやすくなります。
同様な現象は、艶調整塗料でも当てはまります。
【対策】
塗継ぎ箇所では以下のような対策を取り、
パターン差が生じないよう注意する必要があります。
①塗継ぎにおいて、出来るだけ時間を空けずに塗装するようにする。
特に、ムラが目立ちそうな大面積では、2人、複数人で作業するなど
上下で追いかけながら塗装するようにする。
②風を防ぐ為の養生シートや、直射日光を避ける時間帯に施工するなど
出来るだけ表面乾きしないようにする。
③目地や、キリの良い部分まで通しで
塗装して塗継ぎ部を目立たなくさせる。
④現場の状況により、上記の対応が出来ない場合には、
逆に塗り継がれる個所を十分に乾燥させることで、表面乾きの状態で
塗り継がれるよりは、目立ちにくくすることが出来ます。
但し、①の方法よりは目立つことがありますのでご注意下さい。
いかがだったでしょうか?
塗装時のご参考にして下さい。